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ブランドをつくりあげるメンバーの方々にインタビュー

LOUNIE

PROFILE

LOUNIE【 ルーニィ 】

LOUNIE

「LOUNIE」が設立35周年を迎えた。上質かつ、着やすくコーディネートしやすいスタイルが魅力だが、何よりファンの心を掴んでいるのは、服に込められた“魂”であり、つくり手たちの情熱だ。

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「らしさ」と「新しさ」のバランスを大事にし、歩み続けた35年。

「シンプルだけど、なんかいい」素材にも、その"らしさ"が宿る」

「キレイ・知的・カッコイイ」 。上質なスタイルを提案する 「LOUNIE (ルーニ ィ) 」 は、 今年ブランド設立35周年を迎えた。その間に蓄積された顧客や取引先からの信頼こそ、何ものにも代えがたいブランド価値の源泉だ。
 だが、シンプルなデザインゆえに他ブランドとの差別化は容易ではない。ただの"シンプル"では”面白みがない服”になってしまう。「だから服に魂を宿さなければならない」。チーフパタンナーの清松正伸の言葉を借りるなら、そういうことになる。ブランドを運営するメンバーは皆、それぞれの持ち場で”ルーニィらしさ”を常に考え、クリエイションし続けている。
「完成され切ったスタイルはつまらないし、それはお客さまも望んでいない。パタンナーはそこに計算ずくの”崩し”を入れる。それがお客さまに『なんかいいよね』と言わせる雰囲気をつくる」(清松)
 ブランドを売る為の骨子をつくるのはMDの山本だ。どんな商品をつくり、どれだけ予算を割り振るか、営業やショップ、プレスがどう連携するか……。”左脳を使って”ロジカルに組み立てていく。
 ルーニィの服づくりの起点となるのも山本。特徴的なのは、MDの仕事としてオリジナルの記事開発を担当している点だろう。トレンドを意識した服をつくるにはトレンドに合った生地が必要だ。そのため山本は、シーズンの企画が決まる何年も前から生地づくりに動き、シーズンあたりに500から1000の素材に目を通してその特性を把握し、生産スケジュール、最終価格イメージまで総合的に構築する。
「生地はブランドにとって縁の下の力持ち。生地がいいからという理由だけで買うお客さまは少ないと思います。けれど、やっぱり素材の力って伝わるんですよね」(山本)
「服づくりの起点になる素材選びからしてルーニィらしさが始まっているんです」と、デザイナーの齋藤も言う。着やすくコーディネートしやすいデザインを提案するのはキャリア女性をターゲットにするなら当たり前のこと。併せて生地、デザイン、パターンと、常にトレンドを意識しながら、新しいものを提案する。
 山本は「ルーニィの服はズルいよね」という言葉を卸先のバイヤーからしばしば聞いている。同じカテゴリーの服を扱うメーカーはほかにいくるもある。「でもルーニィの服はなんか違う」「だからつい買っちゃう。ズルいよね」。そんな意見が寄せられるという。
「メンバーがそれぞれ、やっていることはかなりマニアック。素材、パターン、デザイン、実はすべてちょっとした違いでしかないんです。でも、それが35年分も積み重なれば『ルーニィは違うな』と伝わる。お客さまに評価されているのは、その35年の歴史だと思っています」(山本)
 MD、デザイナー、パタンナー、皆の言葉が揃って熱い。プレス担当の野口陽子は、彼らと至近距離で接するうちに”アテられて”きた一人だ。「メンバーの情熱に触れるたび、情熱で返したくなる」と彼女は笑う。
「本当にこの人たちは妥協してくれないんですよ(笑)。もういいんじゃない?と言いたくなることも多々有りますが、『これがいい!』と思える服を追求するみんなの姿勢には、シンプルに心が動きます。私の役割は、彼らがつくってきたルーニィの歴史や魂を、きちんと理解して、正しくお客さまに伝えていくことだと思っています」(野口)

狙うのは"一歩先"ではなく"半歩先"

35周年を迎えるには決して容易な道ではなかった。「ルーニィの価値観を守りつつも進化していく」。そんな逆説をルーニィは体現し続けてきた。
「長年繁盛しているレストランと似ていると思うんです。お客さまは『いつも変わらない味でおいしい』と喜んでいるけど、実は時代に合わせて微妙に味を変えている。でも変えすぎると"別モノ" になってしまう。少しの変化が古びないコツ。ファッションでいうなら、今持っているワードローブの上下どちらかが変わるだけ、小物が変わるだけ、そういった微妙なバランス調整がすごく大事になります」(山本)
 これが一歩先ではなく、半歩先の進化だ。トレンドの変化に合わせつつもルーニィの「伝統」を継承していく。”らしさ”の中に"新しさ"を入れることで、それまでのルーニィに違和感を与えることもない。このことは、とりわけデザイナーの意識が強い。
「僕は入社してまだ5年目で、自分が生きてきた人生よりも長く続いているブランドのデザインを担当しています。いつも考えているのは、今までのブランドの”らしさ”を継承しながら、デザイナーとしての色をどうやって出していくか、ということ。いずれは僕が発信したものがそのままルーニィになる、というところに持っていきたい」(齋尾)
 また、営業側と企画・生産側どちらのウェイトが重すぎてもブランド運営は立ち行かない。営業は"売れた"ものをより把握しているが、企画は次に"売れる"ものも把握しておかなければならない。かといって企画が先行しすぎれば「独りよがり」な服になる。新しさの”さじ加減”も、両者のバランスから生まれるものだ。
「このバランスをとるのもMDの仕事ですね。すべてのポジションとの架け橋になって、ベストな一点に持っていく。最終サンプルのチェックをする全体会議には社長も営業も出席するんですが、全員が納得するものしか世に出しません。OKが出た商品は展示会に出し、今度はショップスタッフやバイヤーの反応を見る。こうやって全部のフィルターをとおすと、ルーニィとしての精度がどんどん上がっていく」(山本)
 このようなプロセスを踏めるのは、かかわる全員が、ルーニィの目指す新しさを理解し、共有しているからにほかならない。ものづくりの現場においては「多くの意見を"総合的"に聞き入れた結果、個性が削ぎ落とされ、特徴のないものが出来上がる」ケースも少なくない。
「それは一番よくないですよね。でもこれがいい、悪いと思うのには理由が必ずあるんです。その理由がルーニィにとって正しければ意見を尊重します」(山本)
 ブランドを守りながら、更新する。過去5年間のキャンペーンにもその姿勢は見て取れる。35周年というメモリアルに向け、毎年新しいキャンペーンを張ってきた。30周年では、女優・菊池凛子をビジュアルに起用し、ブランド初となるTVCMも放映した。作家・川上未映子の小説ファッションフォトのコラボという、新しい広告スタイルの発信も話題となった。35周年を迎えた2016年は「&LOVE」がキーワード。「これまでルーニィを愛してくれたファンに向けてHAPPYを届ける」をテーマに、アーティストと組んで企画したテキスタイルやコスメを発表している。
「ルーニィとして何を守りたいのか、何が新しいのか。それを考え続けながら、また40周年に向かっていきたいと思っています」(野口)

"自分の人生より歴史の長いブランドにどこまで自分の色を乗せられるか" 齊藤 亮太

齋尾は入社5年目。デザイン面のアイデアは尽きないが、まだ勉強中の身と謙遜する。「だから先輩方にいつも教わっているんです」。ファーストサンプルが上がってくる瞬間が一番好きだが、思っていたとおりの仕上がりでないことも。「でもそれがLOUNIEらしさであるなら嬉しく思います。僕が『いい!』と思う感性はすごく狭い(笑)。それを先輩の力を借りて広げてもらっている」




[PROFILE]
チーフデザイナー
大阪の上田安子服飾専門学校を卒業後、アイア株式会社に入社。LOUNIEのデザイナーに就く。現在はチーフデザイナーとしてデザインチームを率いる。同社は全6ブランドを展開しているが、当初から齋尾はLOUNIEが第一希望だった。「LOUNIEのテイストが、僕が持っている感覚に一番近かったので。将来的なキャリアのことは全然わからないですけど、心のなかではLOUNIE一筋と決めています」

新しさを求めながらもしっかり品質を確保する 清松 正伸

新しいことを仕掛ければ同じつくり方では通用せず、新たなリスクが生じることもある。「そこでしっかり品質を確保することが大切だとパタンナーの立場からは思います。複雑な仕様にすればいいわけでも、簡単な仕様にすればよくなるわけでもない。デザインや縫い子さんの力量にも左右されるなかでベストな仕様を模索しています」




[PROFILE]
チーフパタンナー
文化服装学院を卒業後、アイア株式会社に入社。パタンナーとして働き、今年で15年目。「15年も続けると、仕事の面白さが変わってきます。最初は服をつくること自体が楽しい。でも今は『こうつくるとお客さまは喜ぶだろうな』とわかってきた。デザインからパターンを起こす時、それを組み込んでいくのが楽しい。例えば“着崩し”のトレンドに合わせて襟ぐりを何ミリ崩すとか」

MDはゼネラリスト。論理と感性のバランスを追求する 山本周平

「MDはゼネラリストでなければならない」と山本は言う。ブランド戦略の骨子を立てながら各ポジションを橋渡しする役割。「要は右脳と左脳のバランスで、ロジックと感性を行き来しながら、売るためのベストな選択を模索している。データや分析を重視しつつ、なかなか正解にはたどり着かない。終わりがない仕事だと思いますし、そこが面白い」




[PROFILE]
MD
大学卒業後、アイア株式会社に入社。「MDの役割は売り上げをつくることですし、一番嬉しいのも、売れた時。それに尽きると思います。そのためにもっとロジカルに効率的に仕事ができたらと思うんですが、元来モノづくりが好きなので時間がかかります。それで『もっと頑張らなくちゃな』といういつもの結論に戻ってくる(笑)」

顧客とブランドの接点をつくる仕事 言葉も写真も“正しく”選びたい 野口 陽子

広告やWebなどを通じてブランドと顧客が最初に接触するポイントをつくるのがプレスの役割。「だからこそ、一つひとつを正しくつくり、正しく届けることが大切だと思います。私自身がお客さまと接する機会はありませんが、日々お客さまと相対しているショップスタッフに届いていたら、お客さまにもきっと届く。そう信じています」




[PROFILE]
プレス
大学卒業後、アイア株式会社に入社。新人ながら大抜擢され、現在のプレスに。LOUNIEを担当して11年になる。「PRはブランドの価値を写真や言葉でわかりやすく伝えるのが仕事。でもわかりやすくするあまり、薄っぺらくなりたくはない。シンプルな広告表現でもつくり手の情熱や魂を伝えられるはずだと信じて、文字のフォント一つにもこだわっています」

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