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Fashion creator’s Opinion

業界で活躍する方々に、ファッションに関する様々な意見を聞くインタビュー

遠峰正之
遠峰正之

遠峰正之

PROFILE

とおみね・まさゆき/国内の大学卒業後、ジュエリーデザイナーを目指して英国リーズ大学に入学し、ブランドビジネスを学んだ。帰国後、ジュエリー会社に入社。広報を経てブランドマ ネージャーに。2年後に博報堂マグネット、2016年7月、CAMPFIREに転職。ファッション事業部に配属される。「CLOSS」を立ち上げ、事業全体のディレクションを担当している。

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クラウドファンディングで「ファッションの民主化」を実現する
2016年10月、クラウドファンディング大手のCAMP FIREがファッション特化型のクラウドファンディング「CLOSS(クロス )」をリリースした。CAMP FIRE共同代表の家入一真氏はこ れまで数々のWebサービ スを世に送り出してきた 起業家としても知 られる。CLOSSがファッション業界にもたらす価値とは。ディレクションを担当する遠峰正之氏に聞いた。

  CAMP FIREのクラウドファンディングには様々なジャンルの案件がありますが 、中でもファッション分 野は人気のカテゴリー。これを切り出して特化したのが 「CLOSS」です。CAMP FIREの目指す世界は「資金調達の民主化」。1人から100万円を集め るよりも 、100人から1万円を集めるほうが難易度は低い。そのための仕組みがクラウドファンディングというわけです。CLOSS はそこに「ファッションの民主化」という狙いが加わります。それはネットを通じてつくり手と買い手がダイレクトにつながる世 界を生み出すこと 。
 服が売れない時代になり、ファッション業界のバイヤーはどうしても“ 売りやすい服 ”に目を向けがちです。しかしクラウドフ ァンディングなら、デザイナーは個性を生かした服をつくり、それを評価するエンドユーザーが直接支援、という仕組みができる 。こうして中間流通を省けば、デザイナーは自由な創作活動に注力で き 、ユーザーは多様なファッションとの出合いが可能となるわけです。「ネットがあるからこそできることを考えよう」。これがCAMP FIRE共同代表の家入が打ち出してきた サ ービスに一貫している思想 ですね 。
 第1弾は「ANREALAGE(アンリアレイジ)」のパリコレ進出に協賛するプロジェクト 。支援者にはリターンとして非売品のス タッフTシャツなどを用意しました。第2弾はデニム最大手の「カイハラ」によるプロジェクト。著名ブランドと組んだのは 理由が あります 。我々ネット業界が外から提案しても、ファッション業界の中心には刺さらない。既存の“ファッションテック”の問題は そこにあるのではないかと考えます。だから当社はファッション 業界の真ん中で 頑張っているブランドとつながり 、顧問に軍地 彩弓さんと市川渚さんを迎え 、ファッション業界の“ 中から ”クラウドファンディングを浸透させていきたいと考えています。フ ァッション業界の中で、何か新しい挑戦をしたいと思っている人たちが、すぐにアタマに思い浮かぶサービスにしていきたいですね。
 先述した2つのプロジェクトで、業界からはかなり好意的な反響が得られたという手応えがあります。「アンリアレイジ」は2 週間で45万円を集めました が 、エンドユーザー向けのリターンとして用 意した非売品のTシャツやコーチジャケットは1日で品切れしてしまったほど。 次のプロジェクトも続々仕 込んでいます 。CAMP FIRE本体の様々な他プロジェクトと、「ファッション×音楽」 「ファッション×地方創生」といった異分野コラボも検討しています 。
 今年は新しいスタイルのブランド支援「CLOSS Fashion Forward」が発進します。審査基準を通過したブランドに対し 、クラウドファンディングを活用した資金援助と生産・販売・PR・経営について2年間のサポートを行っていくプログラムです 。最大の特徴は、ブランドの特徴や成長ステージを考慮し 、個々のブランドに合わせたサポートチームをアサインするところです 。我々とブランドが一緒に成長していく新しい 仕組みです。根本にあるのは、僕らのようなネット業界の人間を、ファッション業 界の方々にもっとうまく使ってほしいという思いです 。ですが 、今そうなっていないの は 、ネ ット 業界の側にも問題がある。家入もかつては「 ネ ットで 全部解決できる」くらいのことを言っていましたし( 笑 )。我々がつくるべきなのは、ファッション業界にしっかりと寄り添ったネットサービ ス 。それを実現するために、ファッション業界の“中から”、当該業界の方々とともに インキュベーションを、と考えているのです。

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