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ファッション業界の最前線で活躍するトップクリエイターの方々にインタビュー

森永邦彦 vol.2

PROFILE

森永邦彦 (もりながくにひこ)
森永邦彦氏に聞いた20の質問

1980年 東京都国立市に生まれる
1998年 代々木ゼミナールにて英語講師・西谷昇二氏の授業で神田恵介を知る
1999年 神田と同じ早稲田大学社会科学部に入学。京王井の頭線内でのファッションショーに衝撃を受け、服づくりを始める
2000年 ANREALAGEを開始
2002年 青山円形劇場でファッションショーを行う
2003年 早稲田大学社会科学部、バンタン研究所を卒業。
同年、ANREALAGEを会社化する
2005年 東京コレクションに参加
2011年 東京原宿に直営店をオープン
2014年 2015 S/S パリコレクションに進出。TBS番組『情熱大陸』出演
 

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神田恵介の背中を追い続け、 いつしか自分で服をつくる道へ

 当時は「自分で服をつくる」という発想はなく、ひたすらファッションの仕事がしたい、神田恵介のブランドを手伝いたいという一心。折しも、インディペンデントなブランドが次々に誕生していた時代。当時の東京はファッションを志す若者たちの夢があふれていた。

 僕は神田さんの弟子になれたら、それでよかった。でも実際に神田さんを手伝い始めると、服をつくるという行為そのものがとても美しく見えてきたんですね。好きな音楽を鳴らしながら、好きな女の子の写真をミシンの前に貼って、生地をミシンで縫い合わせていく。その光景がすごくロマンチックに感じました。それから神田さんのファッションショーもすごかった。招待状は、京王井の頭線の初乗りの切符です。井の頭線吉祥寺駅から電車に乗ると、モデルが歩いてきて車内がファッションショーの会場に。電車という日常の風景が突然、非日常の空間に変貌した。自分もファッションショーをやってみたい、服をつくって発表したいと、その時初めて思いました。
 最初につくった服は、神田さんの影響が強いものでした。ミシンでまっすぐ縫うところをあえてそうしない。当たり前の洋服づくりを一つずつ疑って、あえて逆らっていくようなやり方。でも服づくりの基本を知らないまま、アンチをやろうとしてもダメなんですね。正しい技術を身に付けなければと痛感し、入学したのがバンタンで、ここを僕に勧めたのは神田さん。なのに神田さんは文化服装学院に入ってしまった。結局、神田さんは僕に追いかけられるのが嫌だったみたいです(笑)。

早稲田大学とバンタンのダブルスクールで本格的に服づくりへの道に進んだ森永氏。在学中から作品を発表していく中で、ビジネスとしての道を切り開いていきます。詳しくは次回に!

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